学習支援にiPadを勧める理由
スマートフォンやタブレット端末のアクセシビリティ機能(本ブログでは読み上げ機能や音声入力機能を指します)に興味を持ったのは、ここ1、2年の間でした。
以前は、『スマホを買うなら、アプリの数が多いAndroidの端末かiPhoneかな。とりあえずカメラが高性能だったり、バッテリー持ちがいい端末が良いかな。』ぐらいの感覚で選んでいました。今でもスマホはAndroid機です。
タブレット型端末に関しては『スマホを持っているのにタブレット端末を別に持つ必要はあるの?』という印象を持ってました。
でも、漢字が読めない、書けない子どもたちに関わる様になり、関連書籍やインターネットの関連ページを読むようになってからは、『タブレット型端末は、人によっては、自分にとっての眼鏡のような存在になりうるもの』として認識するようになりました。
《当時読んだ書籍》
タブレットPC・スマホ時代の子どもの教育 学習につまずきのある子どもたちの可能性を引き出し、未来の子どもを育てる
- 作者: 中邑賢龍,近藤武夫
- 出版社/メーカー: 明治図書出版
- 発売日: 2013/04/22
- メディア: 単行本
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《当時読んだ体験談のサイト》
読み上げ機能についてよく調べるようになってからは、自分が持っているAndroid端末では、できそうでできないことが多く、子どものニーズに合わせた提案ができないことに対して焦燥感を感じたものです。
ですから、耐えかねてiPad(miniですが)を購入してからは、こんなに違うものかと感動せずにはいられませんでした。
という方々はこれ以降読む必要はないと思います。
という方々へ向けて、学習支援にiPadを勧める理由について、一度触れておきたいと思います。
それでは、まず、タブレット型端末に関する基本事項の確認から。
タブレット型端末とは、『液晶ディスプレーなどの表示部分にタッチパネルを搭載し、指で操作する携帯情報端末の総称。』のことです。
タブレット型端末(タブレットガタタンマツ)とは - コトバンク より
タッチパネル式の薄い機械という見た目で、電話機能が無いという特徴があれば、それはタブレット型端末ということになります。
そのタブレット型端末の内部で、機械を動かし、アプリや機能を使えるようにする大もとのソフトをOSと言うのですが、このOSが違うことで、そのタブレット型端末ができることと、できないことが大きく変わっていきます。
また、それぞれのOSに繋がる各アプリストアの状況(アプリを配信しているかどうか)によって、インストールできるアプリとインストールできないアプリが変わります。
有名なOSとして、Android、iOS、Windowsの3つがあります。
【Android】
Googleが開発したOSです。オープンソース(誰にでも無償で配布される)で様々な会社が採用しています。アプリストアの名称はGoogle Play。(Google Play)
【iOS】
開発元のAppleのみが採用しているため、タブレット型端末では、iPadとiPad miniのみです。アプリストアの名称はApp Store。(App Store iTunes でダウンロード)
【Windows】
Microsoftが開発したOSです。こちらは積極的に他社へのOSの提供を行っているため、様々な会社が採用しています。アプリストアの名称はWindowsストア。(Windows 向けアプリ - Microsoft Windows)
※会社によっては、AndroidとWindowsの各OSが搭載されたタブレットをそれぞれ別商品で開発している場合があります。(だから○○会社=AndroidまたはWindowsのみ採用ということではないです)
ここからが本題です。
《学習支援でiPadを選ぶ理由》
画面に書かれている文章を読み上げる機能と、音声で文字を入力することができる機能の両方を使いたい!という方の場合はiPadを強く勧めています。
その理由として、
この三点が挙げられます。
1.『iOSのアクセシビリティ機能が充実していること』について
iPadに入っているiOSの基本性能として、聴覚サポートや視覚サポートなどに複数の機能があり、自分が使いやすいように設定することができます。また、インターネットに繋いでいない状態でも読み上げができるというのは強みです。
Androidが入っているタブレット端末だと、基本性能に「TalkBack」(トークバック)という、画面に映る全てを読み上げる機能を使うことになりますが、通常の操作とは異なった操作方法になり、慣れるまでに時間がかかることや、機器によってはかなり動作が重くなり使いづらくなることがあります。
今のところAndroidで読み上げ機能のみを使いたいときには、「かなトーク Mini2 - Google Play の Android アプリ」など、読み上げる専用のアプリが必要で、一つ一つ文章のコピーと貼り付けをしなければ読み上げられません。
2.『機器が古くなってもアップデートを行えること』について
Appleは常に一つの機器のみにiOS(中身)を合わせているため、古い機器でも最新の状態にさせることができます。
AndroidはAndroidのOS(中身)に、機器製作会社が機器を合わせているため、現状、多くても1、2回程しかアップデートできません。つまり、Androidに新しい機能の追加や機能の改良がなされて、新しいバージョンが公開されても、別の機器を買い直さないと、それらの機能を使えないということになります。
3.『App Storeのアプリが充実していること』について
《各アプリストアのアプリ登録本数》
- Windowsは17万本
- AppStoreは121万本
- GooglePlayは143万本
※いずれも2014年時点の数字です。
単純なアプリの本数で言うと、GooglePlayが最も多く、次にAppStore、その次にWindowsとなっており、GooglePlayが最も多いという結果となっています。
しかし、GooglePlayの場合は、基本機能に読み上げのみの機能がないため、読み上げながら使えるアプリが少なく、学習支援として使うのには厳しい面があります。iPadの場合、OSの基本機能に読み上げ機能があるため、学習支援に使えるアプリが豊富です。
例えば、iOSではAccessReading - Homeやマルチメディアデイジー教科書といった電子教科書を使用できます。
Windowsで電子教科書を使用できるようにする動きもあるみたい(商品情報 | デジタル教科書 | CoNETS(コネッツ)など)ですが、恐らく有料になるため、個人への導入には様々なハードルを越える必要があると思います。
今のところ(登録を行えば)電子教科書を今すぐ導入できるのはiOSだけではないでしょうか。
以上が『学習支援にiPadを勧める理由』です。
《補足》
文字を書くことが苦手で、文字を読むことは得意な方の場合は、
読み上げ機能は使わず、音声入力のみを使うということになると思います。
その場合は、GoogleNowから言語パックを無料でダウンロードすれば、オフラインでも音声入力ができるAndroidの方が良いのかもしれません。
記号は入力できず、精度もいまいちですが、使い方と発音に気を付ければ、実用できるレベルだと思います。
※現状、iPadで音声入力をするには必ずインターネット接続が必要です。
また、Android版エバーノート(多機能メモアプリ)の機能には、iOS版にはない、テキスト音声入力の機能が備わっており、こちらもオフラインで音声入力が可能です。
Evernote - Google Play の Android アプリ
2015年7月7日追記
現在、音声パックをダウンロードした状態でもオフラインでは音声入力ができなくなっています。(昨年度まではできていたのですが)
なぜできなくなったのか調査中ですが、原因がまだ分かっていません。何か知っていらっしゃる方がいましたら、ご連絡頂けると嬉しいです。
※ちなみに私が現在使用している端末のAndroidバージョンは4.4.2で、5以降は使用したことがありません。